
| ・シーン毎に作曲された全体の音楽・・・Film Score |
| 音楽の入る各シーン毎にRoll(ロール)と云われたり、Cue(キュー)と云われたりするが、順番にM-1やM-2と云った番号がつけられる場合が多い。 Cueはその名の通り音楽の入るきっかけでもある。 サントラCDなどで各曲に題名が付けられているのは、発売に合わせて後から付ける事が多いが、私の場合はほとんど作曲段階で付けている。 (この内セリフの下で感情の動きや予感などを意識した音楽をUnder Scoreと呼ぶ。) |
| ・オリジナルで作曲された音楽を編集して監督や選曲家が各シーンに自由に割り当てる音楽。 |
| 監督の嗜好やセンスによって様々だが、作曲家の思惑と違った解釈が生まれるので、思わぬ効果が出たりする事がある。 一般的に作曲家は同じシーンを何度も何度も見て創るので、感情移入し過ぎるきらいがあるのだ(私だけか?)。 この方式はフィルムやVTRの編集から仕上げまでの時間が取れない時に良くある方式で、先に方向性を決めて、あらかじめ音楽を録音してしまう。 シーン毎に作曲されたものでも最終的にはダビング時にタイミングを修正したり、他のシーンの為に書かれた音楽と入れ替えることも良くある。 |
| ・登場人物自身が歌ったり演奏したりする音楽。 |
| ミュージシャンの伝記物などでは、これがないと成り立たないのだが、歌ならともかく楽器演奏の場合は実際に演奏できる俳優はほとんどいない為、専門の演奏家があらかじめ録音した音に合わせる(プレイバック)のだが、それらしく見せるのは大変だと思う。 特に日本では時間的な問題か音楽をやる者から見ると悲しい位に手元や呼吸があっていないのが現状だが、俳優たちだけのせいにするのは酷なのだ。 古くは「ベニー・グッドマン物語」などからチャーリー・パーカーを描いた「Bird」や「海の上のピアニスト」などの撮影前、彼らに一体どれ程の日数と、どんなトレーナーたちが用意されていたのだろうか。 |
| ・画面上のラジオやオーディオプレイヤーから聴こえてくる音楽。 |
| オリジナルで作曲される場合と、一般選曲がある。 深刻なシーンなどで、ラジオから脳天気な音楽を流し、コントラストを付けたりもする。 そんなシーンでTVから騒がしい子供アニメやバカバカしいバラエティー番組をやっていたりするのも同じ手法と思って良いでしょう。 大抵の場合はそのラジオなどを映したカットが入るのだが、実際の撮影時には無くても、あとで効果の為に「ラジオが部屋にあった事にしよう。」なんて事もあるし、映像上には見えない窓の外から聞こえてくる設定なども良くある、これは舞台となる時代を表現する場合にも効果的であろう。 |
| ・喫茶店などでバックグラウンドとして聴こえてくる音楽。 |
| これもオリジナルで作曲される場合と、一般選曲があるが主に後者。 この場合は本当の意味のバックグラウンドなので、特に狙いがない場合は作曲者の個性を感じさせると、そこに意味がある様に思われてしまうので、いわゆる「ありもの」の音楽の方が多い。 昔は予算の関係で「ついでに作ってよ」などと気楽に言われ、ムッとした事もあったが、最近は著作権フリーのライブラリが多い。 |
| ・既にある、クラッシックやポップスのアーティストなどの音楽。 |
| 近代では「TOP GUN」や「New Jack City」などに代表される手法。映画の事よりもレコード会社とのタイアップを目的としたり、逆にレコード会社がプロモーションの為に映画を利用するような作品も続出したが、その映画の為の書き下ろしなどもあり、映画の種類によっては音楽ファンからも絶大な支持を得ているものも多い。 ちなみに日本ではレコード会社の契約上の問題点があり、多岐に渡るアーティストの競演は殆ど実現しない。 「Killing Field」で主人公がタイの国境を越えた時、突然聴こえるジョン・レノンのイマジンには、ビートルズ世代でもあり、涙が止まらなくさせられた憶えがある。 |
| 等々これ以上にも色々な手法で音楽は付けられていますが、実際には一つの作品の中で複合的に音楽が構成されている場合が多いでしょう。 いずれこのページで実際のフィルム・スコアリングの実務に渡り少しづつ解説できたらと思っています。 |